実体験を盛り込んだマタニティ・小児歯科講座の第１３講目です。

日中は汗ばむ日もあり紫外線対策も欠かせない季節になりましたね。
皆さんはもう半そでデビューされましたか？
何を着ようか毎日悩みますよね。

さて、最近私はママ友から「赤ちゃんに歯が生え始めると、歯磨きはどうするの？」
「うちの子歯磨きを嫌がるんだけど・・・」
と相談を受けました。
まだ自分でしっかり歯磨きすることのできない赤ちゃんの時期は、大人が主体になって磨き、虫歯を予防してあげる必要があります。
でも、慣れないうちは、赤ちゃんの歯磨きって難しいものです。
小さなお口の中の歯を、どのようにすれば磨き残しなく綺麗にできるか、赤ちゃんが嫌がらず歯磨きをしてくれるには、どのような工夫をすれば良いか、そのポイントをお伝えしたいと思います。

本格的歯磨きデビューの前にしておくと良いこと

赤ちゃんに歯磨きの習慣をつけるタイミング、それは「歯が生え始めたらすぐ」です。
歯の生え始めは、赤ちゃんによって個人差がありますが、生後6～７ヵ月を過ぎる頃になると、下の前歯から生え始めるケースが多いようです。

この頃は、まだ歯ブラシを使う必要はありません。
１日１回夜寝る前などに、清潔なガーゼを人差し指に巻きつけ、歯を丁寧に拭いてあげることから始めてみてください。
私は、お風呂の時に湯船に一緒につかりながら赤ちゃんに声かけしながら行っていました。

歯磨きデビューの際、いきなり歯ブラシをお口の中へ持っていこうとすると嫌がる赤ちゃんも多いものです。
お口の周りを拭くついでといった感じで、大好きなママの手で愛情を込めて歯を綺麗にしてあげることで、お口の中をいじられることに慣らしていってあげてくださいね。

赤ちゃんが嫌がらない歯ブラシの選び方、磨き方

赤ちゃんに４～８本くらい歯が生え揃ったら、いよいよ歯ブラシを使い始めます。
子どもが好きそうなキャラクターのついた歯ブラシも売られていますね。
でも、赤ちゃん自身はまだきちん磨けませんから、仕上げ磨き専用の小さなヘッドの歯ブラシを選ぶようにしましょう。
まだ、ぶくぶくうがいができない2歳前くらいまでは、歯磨き粉は使いません。

歯ブラシは、毛が硬いものや、毛先が山形にカットされていたり長すぎたりするものはオススメしません。
赤ちゃんの歯茎を傷つける危険がある上、小さな歯の汚れを落とすのに適していないので、使わない方がよいでしょう。
間違って歯茎を磨いてしまうと、赤ちゃんは痛がり歯磨き嫌いの原因にもなります。
特に、上の前歯を磨く際、小帯（歯茎と唇をつなぐ筋）を傷つけないよう、注意してくださいね。

歯ブラシはえんぴつのように持ち、桃の皮が剝けない程度の優しい力加減で磨きます。
毛先を使って、歯の表面を小刻みに左右に動かすようにして磨くと汚れがよく落ちるでしょう。

ママも赤ちゃんも歯磨きに慣れるまでは時間がかかるものです。
間食の少ない1歳くらいまでは、だ液の自浄作用でお口の衛生を保てるので、あまり神経質にならず、嫌がったら短時間で切り上げるなど、ゆったり歯磨きをスタートさせてくださいね。

仕上げ歯磨き中は、赤ちゃんの頭をママの両腿の間に挟むような姿勢がベストです。
こうすると、口の中全体が良く見え、一本一本確認しながら磨けるからです。
でも、赤ちゃんにとっては無防備な姿勢なので、最初は嫌がるかもしれません。
暴れるようなら、赤ちゃんの両手を腿の下に入れて固定してみてください。

ただし、顔や声はあくまで優しく、イライラした様子を見せないことです。
歌を歌ったり、鏡でお口の中を見せながら磨いたり、楽しい雰囲気をつくってあげましょう。
普段の遊びの中で、お人形に歯磨きをしたり、歯磨きの大切さを描くＤＶＤや本を読み聞かせたりするのも、歯磨きを身近なものに感じさせる工夫です。

最初は嫌がっていても、毎日続けていれば次第に慣れていきます。
おおよそ１歳以降は嫌がったらやめるのでは習慣になりません。
焦らず、根気良く頑張って、赤ちゃんの歯の健康を守ってくださいね！

歯磨きは楽しいものと思わせる工夫をしてみましょう！