BLOG歯庵~歯科衛生士がお届けするオーラルヘルスの豆知識・当院での治療症例~

2014.06.11

実体験を盛り込んだマタニティ・小児歯科講座⑭~おしゃぶりの考え方~

実体験を盛り込んだマタニティ・小児歯科講座の第14講目です。

梅雨の時期でいつ雨が降るかヒヤヒヤする日々ですね。
そして、食中毒やカビの季節でもあるので気をつけたいものですね。

さて以前、実体験を盛り込んだマタニティ・小児歯科講座の第6講目では「指しゃぶり」についてお話ししました。
私の子どもが「指しゃぶり」を行っていたためもあります。
しかし「おしゃぶり」は使用しませんでした。
私の感覚として、子どもとのコミユニケーションが遮断されるような感じがしたのです。
しかし、おしゃぶりを使っているママ友から、「おしゃぶりはやっぱり良くないのかな?」という質問をうけました。

母親の感覚ではなく歯科の立場から、「おしゃぶり」をみていきたいと思います。

欧米では、おしゃぶりをしている赤ちゃんが多いとされ、おしゃぶりをしていれば、自然と鼻呼吸する癖がつくとか、おっぱいを吸う力がつくから良い効果があるという意見もあるそうですが、医学的な根拠はありません。

日本でもおしゃぶりは、舌や顎の発達を助けて鼻呼吸を促すという宣伝文句があり、乳児が泣いたときに泣き止ます手段として安易に使用していることが多いですが、小児科と小児歯科の保健検討委員会の見解からは、欠点が多いものです。
小児科と小児歯科の保健検討委員会でおしゃぶりの望ましいあり方について検討を行なった結果は次の通りです(日本小児科医会ホームページより抜粋)。

1)おしゃぶりが咬合(噛み合わせ)に及ぼす影響

おしゃぶりと乳歯の噛み合わせとの関係の調査では、おしゃぶりで開咬(前歯の上と下が噛み合わなくて隙間ができてしまうこと)が高頻度にみられるという結果と、年齢が高くなるまでおしゃぶりを長期に使用すると乳前歯部が開咬となりやすいという結果を得ています。
いずれの調査もおしゃぶりを長期に使用すると噛み合わせに悪い影響を与えることを示しています。

歯に圧力がかかって、前歯が徐々に出てきたり、受け口になったり、永久歯の歯並びにも影響が出ることもあります。

しかし、全ての子に当てはまるわけではなく、噛む力やおしゃぶりする時の吸い方、吸っている時間などの違いによって、影響の度合いはまちまちです。

2006年、横浜市の親子がおしゃぶりであごが変形したとして、ベビー用品メーカーのコンビに損害賠償を求める訴訟を起こしました。
しかし、この例では、その子は毎日約15時間もおしゃぶりをくわえていたそうです。
こうした例は、非常に極端な使用方法の結果です。
ママの育児ストレスとおしゃぶりの使用を天秤にかけて、本当に困った時だけ短時間使うのであれば良いと思います。

2)おしゃぶりの使用年齢と噛み合わせ

おしゃぶりを使用している子どもは、使用していない子どもと比較して、歯に圧力がかかって、前歯が徐々に出てきたり、前歯の上と下が噛み合わなくて隙間ができてしまったり、受け口になったりする発現率が極めて高くなります。
この傾向は1歳6か月、2歳でも見られますが、止めると噛み合わせの異常は改善しやすいようです。
しかし、乳臼歯が生え揃う2歳半、さらに3歳過ぎまで使用していると噛み合わせの異常が残ってしまいます
小児歯科の立場からすると2歳までに止めて欲しいとのことです

3)おしゃぶりの利点と欠点

利点としては精袖的安定、簡単に泣き止む、静かになる、入眠がスムーズ、母親の子育てのストレスが減るなどが挙げられます。
おしゃぶりの宣伝に使用されている「鼻呼吸や舌や額の発達を促進する」ということは、現時点では学問的に検証されていません。
欠点としては習慣性となりやすく、長期間使用すると噛み合わせが悪くなる、子どもがどうして泣いているのかを考えないで使用する、あやすのが減る、ことば掛けが減る、ふれあいが減る、発語の機会が減るなどが挙げられます。
5-6か月以降の乳児はなんでも口へ持っていってしゃぶり、形や味、性状を学習していますが、おしゃぶりを使用していると手で掴んでも口へ持っていくことができず、このような学習の機会が奪われることになります。
親の働きかけに対する声出しや、自分からの声出しもできないので、発達に必要なこのような機会が失われる可能性があります。

4)おしゃぶり使用の考え方

おしゃぶりは出来るだけ使用しない方がいいとされますが、もし使用するなら咬合の異常を防ぐために、次の点に留意してください。

① 発語やことばを覚える1歳過ぎになったら、おしゃぶりのフォルダーを外して、常時使用しないようにする
 おそくとも2歳半までに使用を中止するようにする。
③ おしゃぶりを使用している間も、声かけや一緒に遊ぶなどの子どもとのふれあいを大切にして、子どもがして欲しいことや、したいことを満足させるように心がける。
子育ての便利性からだけでおしゃぶりを使用しないようにする。
④4歳以降になってもおしゃぶりが続く場合は、情緒的な面を考慮してかかりつけの小児科医に相談することを勧める。

5)おしゃぶりの卒業

おしゃぶりをさせる一番の理由は、やはり「寝つきがよくなるから」「泣き止んでくれるから」「外出時に静かにしていてくれるから」という大人の都合が大きいかもしれません。
まだ言葉もわからない赤ちゃんの時なら「仕方ない」と許されても、子どもが成長してしっかりと意思を持ち、言葉を使ってコミュニケーションできる年(2歳~3歳)になっても、まだおしゃぶりに頼っているのはどうでしょうか?

子どもと言葉でコミュニケーションが取れるようになったら、「いつになったらおしゃぶり止めようか?」と問いかけ、子どもが自主的におしゃぶりを卒業するように仕向けてみてはいかがでしょうか?
特に3歳頃になると、お兄ちゃん、お姉ちゃんになることに憧れる時期ですから、「おしゃぶりするのは赤ちゃんだけだよ」と意識させるのも効果があります。
また、ある日を境に全く使わなくするという強行な手段に出なくても、どうしても駄目な時だけに限定して使う、という風に徐々に回数を減らして慣らしていくのも良いでしょう。

子育ては子どもの成長を感じ幸せな時間でもありますが、子どものペースに合わせての生活に、ゆっくり寝れない、自分の時間がない、、、など精神的・体力的な負担やストレスをかかえます。
「指しゃぶり」や「おしゃぶり」を使用することで、保育者や子どもも落ち着きお互いがニコニコ過ごせるなら行うことも一つです。
しかし、過度な使用でコミユニケーション不足になったり、悪影響がでるほどの使用はよくないと思います。
上手に使用し、保育者と子どもの絆と健康を守っていきましょう!

 

 

 

 

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