歯科衛生士がお話しする歯の講座の第110講目です。
あっという間にゴールデンウィークも終わりですね。
とても気温が上がり、半袖で過ごしていました(;^ω^)
これから熱中症に気を付けないといけないですね。
さて、寝ているときに歯ぎしりしている人のお悩みです。
歯ぎしりが歯周病に影響するのかなあと心配される方がいらっしゃいました。
そんな方のお悩みをお話ししたいと思います。
ひとくちに「歯ぎしり」といっても、歯科ではいくつかのタイプに分けて考えられます。
ひとつは、就寝中にあごを動かして、ギリギリと音が鳴るというもの。
これを「グラインディング」と呼ばれます。
また、あごを動かさずに上下にグッとかみしめる食いしばりは「クレンチング」、上下の歯をカチカチと鳴らすものは、「タッピング」と呼ばれます。
これらをまとめて「ブラキシズム」といわれます。
原因は明確になっていませんが、日常のストレスが大きく関与しているといわれています。
歯周病の原因は、細菌であることは皆さんもご存知かとおもいます。
これらの歯ぎしりが直接、歯周病の原因となることはないといわれています。
しかし、強い力が歯に加わり続けることで、歯の根やその周囲の骨組織に負担がかかり歯の動揺が増して、ある特定の部分のみあごの骨が減ってしまうことがあります。
そのために、歯ぎしりも歯周病の症状を悪化させる因子のひとつだといえるでしょう。
ですから、歯ぎしりを自覚している方、またはご家族など周囲から指摘されているかたで歯周病を患っているという場合は、歯周病の治療とともに歯ぎしりへの歯科的な対応が必要なのではないでしょうか。
歯ぎしりによる特定の歯への過剰な圧は、歯のまわりのあごの骨に負担をかけるほか、歯自体の摩耗も引き起こしかねません。
あごの骨の減少が進むと、歯の動揺も増します。
それを防ぐにはマウスピースをりようする治療法があります。
マウスピースといえば、ボクシングのように外側からの衝撃から歯を守るのもですが、マウスピースはご自分の過剰な噛むちからから歯やあごの骨を守るものです。
就寝中に装着することで、一部の歯に過剰にかかっている圧がすべての歯に分散されます。
起きているときの無意識の歯ぎしりの予防には、認知行動療法が推奨されています。
①行動変容の動機付け
②行動変容の実施
③行動変容の強化です。
最終的には上下の歯が接触すると条件反射で無意識に歯を離せるようになるといいでしょう。
歯ぎしりでお悩みの方、藤村歯科クリニックでご相談ください。