幼児食アドバイザーによる食育講座の第23講目です。
年の終わりに、「年越しそば」を食べるというのが日本の習慣としてありますよね。
今回はその「年越しそば」についてみていきたいと思います。
日本では「人生はそばのように細く長く生きる」という意味で大晦日には年越し蕎麦を食べる習慣があります。
年越しそばは、12時過ぎると縁起が悪いと言われているので、夕食か夜食でいただくのがいいといわれています。
正月の準備を終えた大みそかは、除夜の鐘を聞きながら年越しそばを食べる。
日本では定番の行事ですが、その起源やいわれには数多くの説があります。
年越しそばの言い伝え
■長寿そば/寿命そば
そばのように長くのびて長生きできる。
■運気そば
鎌倉時代、博多のお寺で町の人にそばをふるまったところ、翌年からみんなの運勢がよくなったから。
■福そば
金銀細工師はちらかった金粉(きんぷん)をそば粉を使って集めることから、そばは金を集めるえんぎ物となった。
■えん切りそば
そばはよく切れるため、1年の苦労とえんを切るため。
また、太く長くと縁起を担いで、うどんを食べる地域もあるそうです。
年越しそばの食べ方はお好みでいいようですが、年が明ける前に食べてしまわないと縁起が悪いそうです。
年越しそばのねぎも大事
薬味のねぎにも意味があります。
つかれをねぎらうという意の「労ぐ(ねぐ)」、祈る(いのる)という意の「祈ぐ(ねぐ)」、おはらいしたり、清めたりする神職の「祢宜(ねぎ)」などの言葉にかけて、1年間がんばってきたことをねぎらい、来年の幸せをいのって心安らかに新年をむかえようというわけです。
そばは、良質なたんぱく質が多く、お腹の調子を整える食物繊維も精白米の8倍と豊富です。
また、血圧を抑制する効果のあるルチンも多く含んでいます。
このルチンはビタミンPともよばれ、 ビタミンCによるコラーゲン合成を促進します。
昔から日本では、年越しの際に「寿命を長く伸ばしたい」 と願いながらそばを食べていたわけですが、これは栄養学的にも理にかなっていたといえるでしょう。
ただし、普段の一食をそばだけで済ませてしまおうとするのは×です。
そばはご飯の代わりですので、主菜(魚、肉、卵、大豆製品)と副菜(野菜)を必ずセットで食べましょう。
あと、塩分の摂りすぎにつながりますので、汁も全部飲んでしまわないよう注意してください。
年越しそばについていろいろなお話をしました。
正月の準備を終えた大みそかは、除夜の鐘を聞きながら年越しそばを食べるという日本の習慣を楽しみながら、新年を迎えてくださいね。