BLOG歯庵~歯科衛生士がお届けするオーラルヘルスの豆知識・当院での治療症例~

2015.01.01

歯科衛生士がお話しする歯の講座㉓ ~歯周病について⑶~

歯科衛生士がお話しする歯の講座の第23講目です。

新年あけましておめでとうございます 🙂
このハッピークラブも、講座開講から一年以上過ぎたくさんの方々に拝読いただき感謝申し上げます。
今年も有意義な講座をお届けできるように頑張りますのでよろしくお願いします。

今回は歯周病についてのシリーズの3つめです。

これまで歯周病はお口の中だけの病気として考えられてきました。
実は歯周病はお口の中の病気の一つですが、身体の中の様々な状態とも関連しているため、身体へも影響を及ぼす・・・ということがわかってきました。

そこで歯周病と関連のある5つの症状についてお話したいと思います。

糖尿病

糖尿病の推定患者数は約700万人(日本糖尿病学会調べ,2005)と言われています.
2型糖尿病は、遺伝的による体質的なことに加え加齢、食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足などの生活習慣が引き金となり血糖を下げるホルモン(インスリン)が足りなくなったり、うまく作用しなくなることで、高血糖が続く疾患です。
血糖値が高い状態が続くと、様々な合併症が起きやすいとされており、歯周病は糖尿病の第6の合併症として捉えられています。
糖尿病の人は、糖尿病でない人に比べて歯周病になるリスクが高いという報告や、歯周病の治療によってハグキの炎症が改善すると、インスリンが働きやすい状態になって、血糖値が改善する可能性があるという報告があります。

心疾患

狭心症・心筋梗塞
動脈硬化により心筋に血液を送る血管が狭くなったり、ふさがってしまい心筋に血液供給がなくなり死に至ることもある病気です。
心疾患は、食生活や運動、ストレスなどの積み重ねが引き起こす生活習慣病の一つです。
歯周病のある人は、ない人と比べて心疾患を発症するリスクが高いことが報告されています。
歯周病に罹患していると、心血管疾患の発症リスクは1.15〜1.24倍高まると言われています。
また、歯周病が重篤であればあるほど、その発症リスクが高くなるとも言われています。
これは、歯周病によってハグキで産生された炎症性物質が血流を介して心臓血管にも影響を及ぼすためと考えられています。

誤嚥性肺炎

肺や気管は、咳など身体が生理的に反応することによって守られています。
しかし、生理的機能が衰えると、自らの唾液や食べ物が誤って肺に入り、肺炎を起こしてしまいます。
そして、気管に入った唾液中の細菌などが肺に感染してしまうと「誤嚥性肺炎」を起こします。
高齢者に多く見られる病気の一つです。
特に、要介護の高齢者・認知症、脳血管障害、手術後など、食物の飲み込みを上手く行えない人などは飲み込む力や咳反射が低下しているため、唾液やプラークなどが気管に入りやすく誤嚥を起こします。
そのように入り込んだ歯周病原性細菌などのお口の中の細菌が、肺炎を起こしやすくすると考えられています。
実際、この病気の多くの患者さんから歯周病原性細菌が見つかっているのです。
そのため、高齢者に口腔ケアを行い、歯周病原性細菌等の口内細菌が減少すると肺炎の発症率が下がることが報告されています。

早期低体重児出産

妊娠中の女性で歯周病の人は、そうでない人に比べて低体重児出産や早産する確率が高いことが報告されています。
妊娠中の女性は、つわりによって口腔清掃が不良になりやすいため、歯周病に罹りやすくなります。
歯周病による炎症性物質がへその緒を通じて胎児に影響するため、早期低体重児出産の確率が高まると考えられています。

骨粗鬆症

骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより、骨が弱くなる病気です。
全身的に骨が弱くなると、歯を支える歯周組織にも影響があると考えられています。
一方で、歯周病は、歯を支えるハグキを破壊する病気です。
歯槽骨が弱くなると歯周組織の破壊が進みやすくなるため、骨粗鬆症は歯周病を進行させる一因と考えられています。

歯周病はお口の中だけの病気ではありません。
身体の中の様々な状態とも関連しているため、身体へも影響を及ぼす・・・ということを理解していただけたらと思います。

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