歯科衛生士がお話しする歯の講座の第131講目です。
多くの人が日常的にマスクをするようになった今。
マスクの内側が蒸れる一方で、水分補給や会話が減り、口腔内は潤いが減りがちに・・・
この講座の126講目でうるおい=唾液に注目してお話ししました。
今回は引き続き唾液に焦点を当てて、お話ししたいと思います。
おさらいをしよう!
唾液には、細菌やウイルスから身体を守る抗菌・抗ウイルス作用があります。
そして、多くの抗菌物質が含まれており、もっとも注目されているのがIgA(免疫グロブリンA)なのです。
IgAはお口の門番のような存在といわれています。
すごいのは、守備範囲の広さです。
普通の抗菌物質が特定のウイルス・細菌にしか働きかけないのに対して、IgAはどんな種類の異物にも作用するといわれています。
唾液が減れば、IgAも減る
唾液はいつも口の中にたっぷりあるというわけではありません。
ストレスや口呼吸、薬の副作用、加齢などで減ることがわかっています。
さらにマスクをしていると、水分補給の機会が減ったり、人と話す回数が減って口を動かさなかったりして、唾液が減るリスクが高くなります。
そうならないためにも、今は普段以上に意識して唾液を増やし、口腔内を潤しておくことが大切です。
では、どうやって唾液を増やしたらいいのでしょうか。
それは、「噛む」ということです。
どんな方法があるのかみていきましょう。
薄味で調理する
薄い味で調理すると、脳が味を確かめようとして「噛む回数」が増えます。
塩分や糖分を撮りすぎることなく、より健康にもつながります。
加熱時間を工夫する
野菜の場合、噛み応えがあるのはやはり生野菜です。
一方、魚や肉は加熱すると硬くなり、長時間煮込んだりすればやわらかくなります。
「噛む回数」を考えて、素材に合わせて加熱時間を工夫するのもひとつです。
食材を大き目に切る
大きいものを食べると、飲み込めるサイズになるまで嚙むので必然的に「咀嚼回数」がアップします。
いつもの料理に乱切りの野菜や、厚切りの肉を加えてみてはいかがでしょうか。
噛み応えのある食材を選ぶ
繊維質の多い野菜や弾力のあるこんにゃく、など「咀嚼回数」を増やすことにつながります。
こうした食材を積極的に選んでみましょう。
ガムをかむ
ガムは味が薄くなってもずっと噛んでいられるので自然と「噛む回数」が増え、「長時間」唾液を出し続けることができます。
マスクをしながら噛める点でも、今の時期におすすめです。
キシリトール100パーセント入りのものなら、虫歯予防にも効果的です。