BLOG歯庵~歯科衛生士がお届けするオーラルヘルスの豆知識・当院での治療症例~

2021.03.09

歯科衛生士がお話しする歯の講座150~歯の根の治療3

歯科衛生士がお話しする歯の講座の第150講目です。

あっという間に3月になり、少しずつ暖かさが実感できるようになってきました。
桜の開花ももうすぐですね!
今年は、花粉症がひどいようですが、春を何かしら感じられるといいですね( *´艸`)

さて、歯の根の治療についてお話ししている続きです。

洗浄と消毒
感染部分を除去したときの削りカスなどを、消毒薬で洗い流します。
根管ごとに何回か繰り返します。

ファイルやリーマーは非常に細い器具とはいえ、根管の形状は複雑なため、なかの感染部分を100%取り切ることは不可能です。
それに、感染部分を除去したときには、細かい削りカスが出ます。
削りカスは細菌の塊ですので、これもしっかり取り除かなければいけないです。
削りかすを取り除き、器具では届かない部分の細菌を可能な限り減らすために行うのが次のステップー根管内の「洗浄と消毒」です。
注射器状の器具で、消毒薬を根管内に行きわたらせます。
根管ごとに4~5回繰り返して、汚れが浮いてこなかったら完了です。
台所の流しをたわしでごしごし洗ったあと、殺菌剤で洗い流すのと似ていますね。

仮詰め
洗浄した根管内に消毒薬を詰め、仮詰めをします。
仮詰めは2週間以上すると劣化したり外れやすくなったりします。
そうなると細菌が、再び根管内に入り込み治療が台無しになってしまいます。
受診は先延ばしにならないようにしましょう。

仮はあくまで「仮」にすぎません。

根幹内を洗浄したら、隙間に消毒薬を詰めて「仮詰め」(仮封)をします。
このステップを飛ばして、洗浄からすぐに次のステップである「根管充填」を行う場合もあります。
ただ、根管の形状が複雑だったり、根幹の本数が多い場合は、治療が長時間にわたり患者さんに体力的な負担がかかります。
そうしたときには、一度仮詰めをして、「続きの治療は次回に」となります。
ここでぜひお伝えしたいのが、仮詰めはあくまで「仮」だということです。
歯の根の先に膿ができていないのなら、この時には痛みの原因である炎症した神経が除去されているため、痛みは治まっています。
だから、「痛みがなくなったし、次の受診は先延ばしにしてもいいかな」なんて思われる患者さんもいるのですが、それは絶対にやめましょう。
仮詰めが持つのはいれてからせいぜい2週間といわれています。
長持ちするものでもありません。
もし、仮詰めが劣化したり外れると、細菌が根管のまかに入りこんで治療が台無しになってしまいます。
次の受診には必ずご来院ください。

またつづきは・・・

 

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